5/2(日)からぶらりとキャンプに行く。勝手知ったるキャンプ場、今年で3回目。

二三日、山でキャンプは一日くらい雨に降られても文句は言えないところ。
毎年のことで覚悟はしていく。山で天候を悪くすると強風を伴う。
常設テントは毎年のことで柔なテントを張っていると
ターフ(テントに似た日除け屋根)が飛ばされテントに雨水が侵入して仕方なく自動車に避難して一夜を過ごすことになる。
3日夜から始まる悪天候、待ってましたとばかりテント内に避難、
高床式の、鉄パイプフレームでがっちりした常設テントは雨水に浸入もないし、吹き飛ばされる心配もない。
おもむろにトランプやらそれに飽きたら各自読書、ゴロゴロしながらお話を楽しんでいる。
子供たちが寝入る頃になって風雨益々激しく、外に張った自前のターフが飛びはしないかと心配になってきた。
その風を切る音たるや未だ嘗て聞いたことがない、悪魔の羽ばたきのような轟音。気付くと女房子供は気楽なもんだグースーいって熟睡中。
松ぼっくりや木の枝がバキバキ折れてテントに当たっている。
これはトイレの為にテントから出るのも危険だなと思いながら深夜を迎えた。気持ち悪い嵐の音を聞きながら、一杯飲むのも一興。
但し、まさかの時にお父ちゃん足をとられての酩酊中ではお話にならんからチビチビと呑んでいた。
山全体が地震が起こったように揺れながら、鳴っている。
いや、吠えている。轟音は10分周期で襲ってくる。
何キロも遠くから最初は小さな前触れのような音でスウーゥときて、
十秒も経たぬ間に耳を塞ぎたくなるような轟音が・・・ この野郎!
みんな熟睡しやがって 後でこの音を聞かせてやろうと思い、ランタン灯るテントの中でビデオカメラを回した。
韓国語放送の方が電波が強く、NHKのニュース気象情報が思ったように聞き取れない。
そこを何とか聞いてみると、大雨強風雷注意報がでている由、
ちょっと心細くなった。冷静であれば風も雨も何とかなろうが、
ボクカミナリ苦手なんだよなぁ、いっぺん近くで落ちた経験があるから、
あれ、体がすくんで動けなくなるんだけどなぁ・・・
暴風が極まったときに外でバキッと音がした。カミナリではない。
何だろ?と思って外、覗いて見ると、ターフを張っている支柱の頭がすっ飛んでいた。
ロープもペグ(杭)も頑丈なものを用意していたけどまさか鉄製の支柱が折れてしまうとは・・・
恐怖感倍増、でもこの嵐では外にでるのは危険だった。
風に煽られてターフがバタバタ凄い音なんだけれどそれより大木がきしむような音、風の音にかき消されている感。これもビデオかな、いやそれどころじゃないよ、本当に大変になってきたので避難を考えたりしていた。
風は止むことがなかった。でも雨はそうでもなかったように思う。
ボクはほとんど寝ていない。時々、ウトウトッとして、朝方静かな気配に安心して外へ出てみた。
自前のテントで夜を越しているのは少ない。自動車へ避難組が多いようだ。
枯れ葉が掃き清められ、腕ほどある大木の枝がゴロゴロ。車に傷がついた人もいたろう。あぁ、助かったと思った。深夜の緊張は何だったんだろう。
この日も天候が良くないので避難民相当の生活。でもそこは良くしたもんでここ三瓶北の原にはプラネタリュームを備えた建物があり、山陰の星空を眺めたり、自然をテーマとした映画が見れるんだ。時間つぶしにこれを見たり三瓶温泉に行って風呂に入ったり。こんなのもないと本格的ホンモノのキャンパーでないとどうにもならんな・・・やっぱり。
草原が広がる姫ヶ池でゴロリ大空を眺めていると、頭の方でガサガサ言うからホッと見ると、からす蛇ですよこれが悠長にのたくってお散歩かなんか知らんけど こっちは気持ち良くなんかなくなるんだよ。
近所のテントの子供がしきりに追いかけ回してトカゲなんか捕まえて来るんだよ。「オジサン見て見て!」 そのとき生まれて初めてトカゲを手のひらにのせて触ったもんね。
アウトドア、良し。子供らに自然児であって欲しい。だからお父さん頑張るよ。楽しみや危険なこともあるということ、覚えて欲しいよ。カミナリは一度も鳴らずに終わった。で、お父さんの威厳は、保たれたというわけ。