秀逸の精進料理指南書

本書の文中に 氏自ら記されているが、
本書の元となる 「土を喰らう日々」が
かの 瀬戸内寂聴さんのお台所でも、
女性達に 本書を教科書として 日々精進料理を一品ずつ作らせた由。
また、漫画 「美味しんぼでは 氏の「土を喰らう日々」を
日本の料理書では 群を抜いておもしろいと紹介するくだりがある由

心臓を患い80才に近い氏が自ら畑を耕しできた作物を
昔 禅寺で修行中に手習いした精進料理百品を紹介している
皮のむき方、味の漬け方を記する一方で、
当時兄弟子に教わった思い出に馳せ、
それも精進と説く
訥々とつながる文章に 枯れた氏の人間性が良く見て取れる好著